はじめに
私の会社では、管理職になる前後に管理者養成学校でリーダーシップを徹底的に鍛えられます。
今回、私も7日間の研修に参加してきました。
正直、リーダーシップは大の苦手。
それでも部下を持つ立場になり、半ば強制的に参加することに。
「今どき、こんな体育会系の研修?」と驚くほど刺激的な体験でした。
管理職を目指す方や、自己成長に興味がある方の参考になれば嬉しいです。
研修の概要
この研修は、6泊7日で全国の管理職候補約100名が集まり、
山奥のリゾートホテルで講義やグループワークを通じてリーダーシップを学びます。
研修中は会社スマホやPCは没収され、私用スマホも部屋でのみ使用可。
外出も禁止で、まるで軍隊のような環境。
講義やグループワークを通じて、管理職に必要なスキルやマインドを叩き込まれます。
一日のスケジュール
8:30 朝礼
朝食後、大きな部屋に全員集合し、朝礼を行います。
発声練習では、全員大声で挨拶、礼の練習をします。
また、「セールス鴉」という軍歌のような歌を全員で合唱します。
朝礼だけでなく、休憩後など1日6回ほど歌うので、ふとした瞬間に口ずさんでいる自分に気づきます。
まるで頭に刷り込まれたような、不思議な感覚でした。
9:00-11:30 講義・ディスカッション
10人1班で、元警察官のような体育会系の講師から指導を受けます。
私の班は20~30代が6割、40~50代が4割。
私は年配の部類です。
初日は「どんな管理者に?」「自分の弱みは?」を自己分析し、全員の前で発表。
私の弱みは「リーダーシップと自信のなさ」です。
この研修で積極的に発言し、行動することで克服を目指しました。
講義では、部下育成やチームマネジメントの知識を学び、ディスカッションで理解を深めます。
11:30-12:00 昼礼
朝礼と同じく、全員で「セールス鴉」を歌い、気合を入れ直します。
12:00-13:00 昼休憩
お弁当を食べ、部屋で少し自由に過ごせます。
13:00-18:00 講義・ディスカッション
午前と同じ内容で、チームワークやリーダーシップを磨きます。
18:00-18:30 夕礼
朝・昼と同じく、歌と気合で締め。
18:30- 夕食・レポートなど
夕食後はレポート作成や試験勉強。
この研修では4つの試験に合格しないと卒業できません。
なんやかんや言って、毎晩12時くらいまで勉強していましたね。
当然ですが、寝不足気味になります。
受験勉強をしていた時のような生活です。
試験での挫折:行動力十ヵ条の壁
4つの試験の中で最も苦戦したのが、「行動力基本動作十ヵ条」の暗唱。
下記が暗唱する文章になります。
1.ぐずぐずと始めるな、時間厳守。行動5分前には所定の場所で、仕事の準備と心の準備を整えて待機せよ。
2.行動に当っては短期間に最高の成果を上げることを心に誓え、そして心の中に達成意欲がメラメラと燃えるまでは決して行動に移ってはならない。やってやるぞと一声叫べ。
3. 指示を受けたら大きな声でハイと返事をし、ただちにとりかかること、いったん行動を開始したのちは猟犬の如く忠実に、キツネの如く賢く、そしてライオンの如く勇猛に。
4.はじめに結果の報告書を作成し、仕事の進行と共に空欄を埋めて行け。これを企画という。
5. 行うべき作業を列記し、項目に優先順位を記せ。
6.行動は敏速を旨とす。このためには動作はきびきびと、言語は簡潔明瞭にてきぱきと進めよ
7.質問されたら全員即座に手をあげ、指名された者は簡潔明瞭に答えること。わからない場合はわからない旨はっきり答えよ。
8. いかなる困難に直面しても目的を放棄せず、時が深更に及ぼうとも最後までやり遂げる不退転の強い意志を持て、
9. 行動の価値を決定するのは、所要時間と結果のよし悪しである。最も短い時間で最良の結果を得られるよう常に手順・方法を工夫改善し、昨日より今日、今日より明日と、時間の短縮と結果の向上を図れ。
10.行動は命令者への結果報告によって完了する。やりっぱなしは何もしないよりまだ悪い、報告及び事後処理を完璧にやれ
これを講師の前で大声で唱え、2分以内に10文字以内のミスで合格という厳しいルール。
私は7日目でも合格できず、他の研修生が卒業していく中、取り残されました。
20~30代の若手が次々とクリアする姿に、「40代なのに…」と情けなさを感じ、悔しさで涙がこみあげました。
年下の仲間から「練習手伝いますか?」と声をかけられても、意固地になって断ってしまう自分。
それでも8日目の居残りでようやく合格。
素直に助けを受け入れる大切さを痛感しました。
20km歩行訓練:リーダーシップの気づき
講義だけでなく、4日目には20kmの歩行訓練がありました。
10班でゴールタイムとクイズの正答数を競うフィールドワークです。
紙の地図を頼りに、スマホなしでゴールを目指します。
班員には司令官、救護、記録などの役割が割り振られ、協力し合うことが求められます。
私の班には「絶対優勝する!」と皆を引っ張るリーダーシップ抜群のメンバーがいました。
最初は彼の熱さに戸惑いましたが、必死でついていく仲間を見て、リーダーには「強引さ」が必要だと気づきました。
私に足りないのは、まさにこの「勢い」。
20kmの道のりは、仲間との絆とリーダーシップの学びに満ちた貴重な時間でした。
管理職に必要な「勢い」
先ほどと重複しますが、この研修で、自分に足りないものを明確に知りました。
それは「勢い」です。
考えすぎず、まず動いてみる。
「絶対やり遂げる!」と感情を込めてチームを鼓舞する力。
「よくやった!」と大げさに褒めて部下を動かす演技力。
管理職には、時に熱量でチームを引っ張るスキルが不可欠だと学びました。
さいごに
7日間の研修は、過酷でしたが、自分を見つめ直すきっかけになりました。
正直、バリバリの管理職の姿はまだ想像しにくいですが、自分のペースで成長したいと思います。
管理職を目指すなら、自分の弱みを認め、小さな行動から始めるのが大事。
たとえば、部下の小さな成果を具体的に褒めることからスタートしてみてください。
研修で学んだ「知行合一」 知るだけでなく行動し学びに変えていく。
このことを胸に、会社員生活を楽しんで成長していけたらと思います。
【おわり】
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